そんな勢いで一昨日(書いているうちに0時を回ってしまいました)訪れたのは、『台東37 三筋湯(三筋2-13-2)』です。
銭湯お遍路195軒目です。
屋号の由来になった「ビル化が進む旧町工場街である三筋町」にあります。
二重千鳥破風の荘厳な宮造り銭湯で、玄関とその周囲の木造の外観(欄間など)や塀はほぼ昔のまま。庭から茂る木々もこの銭湯の歴史を静かに物語ります。
後部には金属製の枠付き細円筒型煙突があり(従来のコンクリート製ではありませんが全く違和感を感じません)、側面に回ると「温排水による上水加温装置(昔から銭湯はエコなんですねぇ)」が観察できます(実に興味深い)。
屋号が白く染め抜かれた茶色のオリジナル暖簾を潜って白系の格天井の玄関に入ると、正面の九谷焼三六角タイル絵(松と牡丹と菊につがいの孔雀)が出迎えます。下足ロッカーは鶴と亀の柄のある斜めの木札鍵を筆頭に、壊れたものは何種類かの木札鍵できちんと修繕してあります。
もちろん番台形式で白壁&白系の折上げ格天井&磨き込まれた木床の脱衣所には、これまた壊れたものは同様の鍵できちんと補った脱衣ロッカーがあり、雰囲気にマッチした木製のベンチもあります。手前から側面にかけて「鯉や金魚が100匹もいようかという大きな池のある岩がバックになった立派な庭(手入れも行き届いている/木製の縁側あり・・・そこを渡ると水洗化されたトイレ)」があり、脱衣所にも観葉植物や大量のネオンテトラの小水槽が上手に配置され、極めて気持ちのいい、いつまでも涼んでいたくなるような、実に居心地の良い空間が演出されています。
広い浴室はタイルやカランなどが改修され、天井はきれいに大橋ブルーで塗り直されています。
通常配置の浴槽は改修されており、江戸川区辺りの銭湯でよく見かける「区切り兼用の水パイプから直接の水カラン」のある深風呂(横向きの強力ジェット)浅風呂(ジェット2基&バイブラ)一体型です。外側手前に立ちシャワーが2基あります。
浴槽背面及び側面は庭同様の岩バックで、2つの滝と脇の1カ所が湯口になっています。
ペンキ絵は中島・田中組によるもので(ブログによれば2010.10.11の作)、男湯は何やらポップなスワン丸(白鳥型の船)まで登場する「湖から望む富士」、女湯は「江戸川上流?」のようです(ブログから判断)。
カランの配置は、内側6つ及び5つ&5つの島(いずれも鏡と固定シャワー付き)ですが、鏡もシャワーもない外側の4つに敢えて座ることをお勧めします。それは・・・正面が金魚の水槽・・・どころではなく「立派な庭の池の水中がそのまま目の前に!」という驚愕の造りだからです。これまた100匹はいようかという金魚たちとご対面と相成ります。こんな銭湯滅多にありませんぞ。
参考HP
銭湯ペンキ絵師見習い日記
http://mizu111.blog40.fc2.com/
黄色で無地のケロリン風の湯桶が使われています。
お遍路MAPには、写真のみで何らの宣伝文句はありませんが、豪華レトロと現代の調和が取れた見事な改修が行われた銭湯です。
「レトロ銭湯って汚いんじゃない?」というイメージをお持ちの方(決してそんなことはないんですが・・・)、入門編として最適です。
私見ですが、かの有名な「キング・オブ・銭湯」である『明神湯(大田50/南雪谷1-14-7)』にも引けを取らないと思います。
交通至便な立地にありますし、是非是非!
追記
同銭湯で入手した「たいとう生活MAP No.8(平成23年4月25日発行)」によれば、台東区内の銭湯は34軒となっております(東京都公衆浴場業生活衛生同業組合による廃業銭湯情報と矛盾はありません)。悲しいことに少しずつ減少を続けています。
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