予告通りの報告です。
前項で紹介した「埼玉県幸手支部(杉戸)601 巴湯(北葛飾郡杉戸町杉戸3-3-6)」の女将からの情報に基づいて、2011.7.7、『らき☆すた』で有名な?幸手市の2009年末に廃業した「埼玉県幸手支部603 大黒湯(幸手市中4-14-30)」の現状を確認しに行きました。
東武日光線幸手駅東口(西口はない)の北東約250mの旧市街に、コインランドリーが増設された以外は昔のままの「鬼瓦も立派な千鳥破風を冠した東京型宮造り銭湯」の建物はまだ存在していました。
ほとんど周囲の改修のない玄関は内側に暖簾がかかったまま普通に閉じており、後部にある茶色の枠付き金属製煙突もそのままで、本当に休業中のように見えました。
しかし、失礼して内部(男湯側)をそっと覗かせていただいたところ、2009年12月のカレンダーが残されたまま時は止まり、既にやや荒廃が進みつつあり、やはり廃業された模様です。
番台式のままの伝統的な造りの銭湯で、浴室中隔には大きな4枚の浮世絵タイプの九谷焼三六角タイル絵(章仙作?)が並び、浴室後壁にもさらに大きな「東海道五十三次 17番 由井(薩多嶺) 歌川広重作」のモザイクタイル絵があり、まるで銭湯タイル絵博物館のようです(女湯側も同様でしょう)。それぞれの絵の周りには地元企業・商店の広告があり、日光御成街道と日光街道(奥州街道)の合流点の宿場町だった幸手市の栄華を彷彿とさせます。
このまま朽ち果てていくのかと思うと何やら物悲しく感じられてなりません。何らかの形で保存できないものなのでしょうか。
せめて・・・せめて私の記憶の片隅に留め置こうと思いつつ幸手市を後にしました。
合掌!
追記
したがって、埼玉県幸手支部の銭湯は既に紹介の2軒のみとなります。埼玉県公衆浴場業生活衛生同業組合のHPなどにはまだ掲載されておりますのでご注意の程・・・。
追記(2012.4.19)
埼玉県公衆浴場業生活衛生同業組合の公式HP 埼玉のお風呂屋さん
・・・からも抹消されました。
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