例によって既に昨日になりましたが、仕事帰りに車で足を伸ばして、東武伊勢崎線蒲生駅東口から南東方数百メートルの市街地にある「埼玉県越谷支部511 蒲生温泉(越谷市蒲生本町1-41)」を訪れました。
埼玉県10軒目になります。
かなり交通量のある県道49号線に面しています(後に土盛りして県道ができたため?やや低い位置に建っています)。
やや簡易な造りの東京型銭湯の前面をほぼそのまま残しつつ(瓦葺きの破風屋根で上部が欄間&左右が木窓とタイルの玄関部分はほぼそのまま)、後方を改修した(壁や屋根は新しい)外観です(円筒型の煙突があります)。
玄関内部は格天井の重厚な造りで、年季の入った木製の渡り板やかなり古風な木製の下足箱(さくらの木札の鍵)があります。
当然に番台形式の脱衣所は、白壁&飾り天井&よく磨かれた古い木床で、3枚羽根の天井扇があり、手前側の庭部分の内側はかつて使われていた後付け型の木製ボックスサウナ&外側は庭の名残で、その先にトイレ(水洗式)があります。男湯側には松永光の文章、女湯側には田村隆一の詩、境に家紋の木版(扇形)が飾られています(手前側の窓には花柄のカーテンあり)。
浴室は大橋ブルーの蒲鉾天井でタイルは改修されており、カランはハンドルタイプで、内側5つ、島4つ&4つ、外側5つ(ここのみ固定シャワーがない)となっています。
昔のままのタイルの浴槽は、内側が浅い円形ジャグジーで外側がジェット2基のある長方形の浅風呂です。
男女の境に富士の描かれたペンキ絵があります(男湯に伊豆と書かれています/追記参照)。
浴槽背面には「脇に田舎家が並び太鼓橋のかかる山中の滝の春景…白くなってしまった木は桜?(縦4枚×横6枚:鈴栄堂九谷)」と「川沿いに水車付きの田舎家のある田園からの富士(縦4枚×横6枚:恐らく鈴栄堂九谷-右下部が傷んでいてはっきりせず)」の三六角タイル絵もあります。
黄色のケロリンの湯桶に加えて、底部に赤い温泉マーク&側面に赤いラインの入った白いケロリン型湯桶及び無地の白いケロリン型湯桶が使われています。一部に緑のM字椅子もあります。
結構レトロな銭湯です。いかがでしょう。
追記(2011.5.1)
大変申し訳ないことに、極めて重要なことを書き落としていました。この銭湯のペンキ絵は、1936年(昭和11年)福島県相馬市に生まれ、17歳で弟子入りし、2万枚を優に超えるペンキ絵を描き続け、惜しまれつつも平成21年4月13日に逝去された
故早川利光氏の生涯最後の作品とのことです。書き換えが行われる前に、病を押して描いた氏の人生の集大成を是非是非ご覧下さいませ。
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