2011.9.18、さらに連休を利用して、「埼玉県さいたま支部107 鹿島湯(南区別所3-3-10)」を訪れました。
埼玉県21軒目です。
JR浦和駅西口から西方に延びる道に沿って800m程歩き、埼玉県庁の先の国道17号線(中山道)を南進すると、すぐに
温泉マークと屋号の書かれた銀色コンクリート製円筒形煙突が見えてきます。
昭和32年の創業です(脱衣所に昭和35年5月13日付けの表彰状が飾ってあります-埼玉県知事は先々々代の栗原浩氏!)。周囲はそれなりに歴史のある地域なのでしょう。
玄関部分に千鳥破風を冠した簡素な造りの東京型銭湯のフロント改造版で、裏通り側にある入口には白抜きに屋号の入ったひさしと同じく屋号入りの灯りがあります。
元は自動ドアの引き戸を手で開けて入ると、控えめでやや雑然とした休憩スペース(田村隆一の詩の額は外されて置かれている)を備えた玄関一体型のフロントで、三和土の脇にさくらの木札鍵の茶色に塗られた下足箱や松竹M型錠の円形傘立て2つなどがあります。白壁は昔の玄関の名残のようです。
フロント脇のドアを開けると脱衣所です。
白壁&アレンジの加わった木調の折上げ格天井&木床で、浴室入口付近の床は「青と白の市松模様のタイル」、手前側の廊下(昔は縁側?)は「マーブルタイル」になっています。
SAKURAⅡ他のアルミ板鍵の脱衣ロッカーが使われています。
天井扇は高速で回転しているので何枚羽根かわかりません。
子ども向けの「入浴の心得(懐かしめのイラスト入り)」が貼られ、新築時に贈られたであろう柱時計は止まっています。物干し化したぶら下がり健康器に加え、なぜか親子の熊の木彫りも置かれています。
浴室の改修は少なく、タイルを含めてほぼ昔のままのようですが(釜場への戸も上部に装飾のある木製です)、島の奥端と梁の間に補強のための金属柱(青塗り)が加えられています。
浴室中隔壁からそれぞれの浴室に向かう灯りは正に「街灯」そのものです(是非その目でご確認を・・・)。
浴槽は、岩の入った湯口のあるバイブラ付き外側浅浴槽と座風呂1基のある内側深浴槽に加えて、最内側の釜場への戸の前に、煉瓦造りの薬湯(訪問時はバスフレンド生薬でした/温め)が増設されています(釜場へは浴槽の縁を伝って行くことになります)。
カランは、押し手のほとんどが銀色のハンドルタイプで(Waguriの球形と温泉マークが3つずつ残っています)、内側5つ(奥の1つは塞がれている/ここだけ温泉マークの取っ手の固定シャワー付き)、6つ&6つの島(シャワーはなく三角鏡はなぜか中央の4つにしかありません!)、外側6つ(鏡のみ/手前1つが囲われて変わった形の立ちシャワーに!)の配置です。湯道具置き場は狭く、昔のタイルのままです。
黄色の無地のケロリン型湯桶と一部に緑のM字椅子が使われています。
ペンキ絵の代わりにクリーム色の金属製壁材が張られているのが惜しまれますが、浴室中隔壁の鈴栄堂九谷(章仙作)の「多数の和船の浮かぶ海~清水寺風の山寺(五重塔や舞台がある)の春景(満開の桜がある)」のタイル絵は圧巻です(状態良)。2つの橋の上に描かれた子どもと母親が、何やら「こどものくに」時代のテイストです(是非その目でご確認を・・・)。
実は・・・隠れた見所は・・・何とトイレです。
水洗化されているものの白壁&木製窓&木製天井とレトロさを残すトイレには、「Hideo A」の銘のある「湖から望む富士」の小さな正方形タイルが貼られています(是非是非その目でご確認を・・・)。
玄関などにバリアフリー対策の手摺りもありました。
レトロ銭湯好きには見所の多い銭湯です。是非!
追記
定休日は毎週水・土曜日になっています。
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