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【2024/11/23 09:49 】 |
稚内地区組合-中頓別1 黄金湯
nakatonbetsu1-koganeyu.JPG例によって仕事が立て込んでいてアップが遅くなりましたが、2012.6.10、北海道への帰省のついでに、稚内市の銭湯が「稚内地区組合-稚内4 緑湯(稚内市緑1丁目10-23)」の1軒になってしまったために(夏休みに廃業銭湯と合わせて訪問&調査してご報告します)、今や
日本で2番目に北の銭湯
となってしまった超小型の銭湯「稚内地区組合-中頓別1 黄金湯(こがねゆ/枝幸郡中頓別町中頓別60-1)」を訪れました。

1989年(平成元年)に建築された元は町営の公衆浴場でしたが、委託管理者の高齢化及び利用者の減少(北海道立中頓別農業高校廃校の影響もあるとか・・・)のため2006年(平成18年/天北線廃止の年!)7月に惜しまれつつも営業を停止し、それを札幌から移住した元は保健師さんの経営者が借り受けて改修し(内閣府地域社会雇用創造事業(北海道地域再生推進コンソーシアム起業プランコンペ採択)による起業支援金の提供を受けています)、2011年(平成23年)10月10日(銭湯の日!)に5年ぶりに復活・営業再開となったものです(8日は大復活祭!)。

シンプルな建物ながら外壁の屋号入りの立派な垂れ幕が印象的で、入口には上部の屋号に加えて同町内のデザイナーによる焦げ茶色のオリジナル暖簾が掛かっています。新たに設置された白い細円筒型煙突に気合いを感じます。

フロントはなんとリサイクルのエレクトーンで(後述のミニミニコンサートにも使われているとか・・・)、下足棚には元は町営施設だったことを示す?屋号入りのヘルメットが置かれ、貴重品ロッカーのある待合室にはオリジナルの屋号入りTシャツや同町の障害者施設の作品や常連客からの贈り物などが飾られ、東京都浴場組合のバスポスターまで貼ってあります。「いらっしゃい北の銭湯(塚田敏信・著/北海道新聞社)」や「銭湯検定公式テキスト①(町田 忍&米山 勇・監修/社団法人 日本銭湯文化協会・編)」さらには関連本(風呂マエ・ロマエも・・・)を含めた「テルマエ・ロマエ(ヤマザキマリ・著/エンターブレイン)」といった銭湯関連書籍も無料で読むことができます。

ドアを開けて「冨嶽三十六景-凱風快晴(赤富士)-(第三十三番/葛飾北斎・作)※」の暖簾を潜ると3畳程度の小さな脱衣所で、長方形の編み籠とプラスチック籠を使った木製の脱衣棚があり、畳表の小さなベンチもあります。テルマエ・ロマエ版の「入浴する前にごらんください Look! Before you go in...(残念ながらラテン語併記ではありません)」も貼られています。ドライヤーは無料サービスです。待合室のコンポにつながったスピーカーからラジオが流れています。

※稀代の天才絵師 葛飾北斎による連作大判錦絵『冨嶽三十六景(Thirty-six Views of Mount Fuji/1831年(天保2)年頃刊行)/主板36図と追加分10図(通称裏富士)で構成』で最も有名な作品のひとつ(Clear Day with Southerly Breeze/横大判錦絵/木版画/所蔵先多数)。『山下白雨(黒富士)』や『神奈川沖浪裏』と合わせて三役と呼ばれる。なお、冨嶽は富士山、凱風は南風の意。

浴室は五角形で中隔部分の天井に三角形の小さめの湯気抜きがあります(外からも確認できます)。

浴槽はシンプルな縦長ホームベース型の小型一槽式で、入口脇に混合水栓で金属蛇腹タイプのロングノーズの立ちシャワーもあります。

ロングノーズのシャワー(左右にフックがあります)が付いた真新しい混合水栓(元は固定シャワー&金属製のプッシュ式だったようです)のカランが洗い場を取り巻くように2つ+1つ+2つあり、元の金属製のプッシュ式のカランも浴槽近くに1つ残されており(合計6つのみ!)、鏡のみになったカランの痕跡も1つあります。

関西サイズの黄色のケロリンの湯桶(1つのみサイドに小さな温泉マーク入り)が使われており、緑のM字椅子もサイズ違い!で3つあり、それらがきちんと積んであります。

マッサージ機や血圧測定機、さらには飴や麦茶も無料、忘れた方には風呂用品の無料貸し出しサービス・・・と、銭湯を愛する経営者のもてなしの心で一杯の暖かな地方銭湯です。いい意味で「小さな旅館の浴場」的な雰囲気です。

小規模多機能公衆浴場という位置付けで、北海道の公定料金よりもお安く頑張っておられます(大人400円で驚きの!?各種割引料金及び各種回数券があります)。

毎週土曜日は変わり湯です。黄金湯ミュージックホール(待合室!)でのミニミニコンサート(無料/カンパ箱あり)も開催されています。「森のかけら」プロジェクト(燃料を灯油から薪に変える活動)を展開中です(薪ボランティア募集中!)。老朽化したボイラー設備とも戦っておられます。「中頓別 黄金湯通信(発行:自由起画・・・経営者の名前に由来)」も作成・配布中です(現在でNo.7/HPからダウンロードできます)。

黄金湯→焼肉屋(この地域の名店!)という文字通り黄金のルート?が復活し町民は大いに喜んでいるようです。

そんな地域住民と伴に歩む「健康増進の町や障害者雇用」などの理想に燃える道北の田舎銭湯です。小さな町のため迷うことがなく、駐車場の心配もありませんので、北海道旅行のついでにお立ち寄りいただけますと幸いです。

詳しくは、

公式HP(とブログ)
http://koganeyu-nakaton.com/

・・・をご覧ください。

<必ず参照>
「日本最北の銭湯」とは・・・
http://sentotanbonin.kai-seki.net/Entry/472/

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【2012/06/16 08:32 】 | 北海道 | 有り難いご意見(0)
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