2011.9.22、秋の連休による帰省のついで&買い換えた車の慣らし運転がてら、「滝川支部-深川1 深川湯(深川市4条3丁目10)」を訪れました。
JR深川駅前の道を200m程進み、メインストリートを右折して、さらに滝川方面に500m程進んだ深川市中心街にあります。
最盛期には市内に少なくとも4軒以上の銭湯があったようですが、五月湯(深川市北光2-7-2)の廃業により(完全に消失し痕跡もありません)、最後の1軒になってしまいました。
かつては鉄道交通の要衝だった深川市の往時を彷彿とさせる正面屋根に凝った平入りの木造建築で(玄関上部は唐破風様)、正面壁に縦に屋号が書かれ、雪国らしく屋根には落雪防止の木組みがあります。
後部に茶色の金属製細円筒型煙突があり、薪で沸かしているようです。
大女将の記憶頼りなのでやや曖昧ですが、創業60余年(昭和20年頃?の創業/嫁がれたのが創業16年目)とのことです。
木製の引き戸を開けると横長の狭い玄関で、手書きの「男湯・女湯」の表示に従ってさらに引き戸を開けると、三和土から直接上がる、古い木床にレザーなどを敷いた脱衣所です。
低いシンプルな木製の番台に大女将が座り、手前の壁には鶴と亀のイラストの入った斜め木板鍵の下足箱(一部は戸のない棚)があります。脱衣ロッカーはなく、主に籐製の籠が使われています。中央壁の鏡の木枠の字が右から書かれています。古い木のベンチがあり、男湯側にはフジ(茶色)、女湯側にはヤマト(赤色)の自動マッサージ機が現役で稼働し、女湯側ではお釜型ドライヤーも使われています。貫目表示の体重計がありますが、見たことのないタイプです(是非直にご確認を・・・)。大女将の趣味の日本人形多数とともに、自慢のお孫さん(全国レベルのスピードスケート選手)の写真や新聞記事が飾られています。
浴室入口前の床はマーブルタイルで、水が拡がらないように一段高い流しのようになっています。
浴室天井は波形トタンによるすり鉢状で中央に小さな湯気抜きがあり、浴室中隔壁は中央上部がガラスブロック壁で手前に小さな業務用の潜り戸があります。タイルもほぼ昔のままです。
男湯外側は脱衣所奥の折りたたみ式の木戸から続く釜場への廊下(浴室側の壁が剥き出しのモルタル)になっており(手前は2階自宅への階段)、釜場の近くにトイレ(立派な水洗)があります。
主浴槽は中央縦置きの面取り長方形で、手前側1/4が浅くなっており、奥にツルカメの11/2の水カランがあります。
奥外側に熱気浴室(湿式サウナ)、奥中央に水風呂、奥内側にもう1つの深浴槽(ツルカメの11/2の水カランとパイプから流れ落ちる湯口あり…湯は張られていない)が増設されています。
そのため、「ヨットが浮かび岸に古城の建つ湖から望む山々(女湯も同じ)」の縦1m×横1.2m程の洋風モザイクタイル絵は、熱気浴室(湿式サウナ)の壁で分断されています。
カランは古い宝の押し手で、内側6つ(湯が左下&水が右上/手前側4つに固定シャワー?の痕跡)、外側5つ(湯のみで水がない/固定シャワーあり)のみです。
側面に小さな
温泉マークの入った黄色のケロリンの湯桶と無地のケロリン型湯桶に混じって、底部に
貝印カミソリのロゴマークの入った黄色のケロリン型湯桶が使われており(いずれも関西サイズ)、プラスチックの椅子とともに浴室入口近くの外壁前にきれいな三角に積み上げられています。
因みに、全編北海道でロケが行われた映画「ガチ☆ボーイ(2008.3.1公開/出演:佐藤隆太・サエコ・向井理・仲里依紗・宮川大輔・泉谷しげる・他…敬称略)」の主人公の実家として使われたので、映画のポスターと出演者のサイン、地元北海道新聞の記事(2008.3.11朝刊)が飾られています(ロケに使われ撮影後はそのまま贈呈されたという屋号入りのオリジナル暖簾は残念ながら掛かっていませんでした)。
なぜか掲示の公定料金よりも安い「大人350円」でした。
ご主人が大切に修繕しながら営んできた歴史ある銭湯を、そのご主人が体長を崩されたため、今年喜寿を迎えた大女将と息子さん、そして2人のお孫さんが守り続けています。
火・水・金・日曜日の週4日(5月~12月は木曜日を含めて週5日)15:00~21:30の営業です。
演歌が静かに流れ、営業のためというより話し好きの大女将が常連客とのふれあいのために続けているような人情味あふれた昭和レトロな地方銭湯です。
北海道旅行の途中で是非お立ち寄りください(田舎町ですので裏通りに駐車しても問題ありません)。お勧めです!
[2回]
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