既に昨日になりましたが、例によって仕事を終えて東武スカイツリーライン(・・・と改称されてしまいました)に飛び乗り、墨田区の東向島駅で下車し、白髭橋を渡って隅田川を越え、さらに明治通りを西進・・・というルートで歩いて、「台東11 有馬湯(竜泉3-31-2)」を訪れました。
銭湯お遍路259軒目です。
すっかり暗くなってしまいましたので以前に撮影しておいた写真をどうぞ!
最寄りの東京メトロ日比谷線三ノ輪駅からは、明治通りを南東方向に200m程歩いた「三ノ輪二」交差点をそのまま土手通り方向に直進し(明治通り方向の東に曲がらない)、さらに200m程進んで右折(西方向)した脇道にあります。
ご主人にお聞きしたところによれば、有馬湯という屋号は「創業当時は兵庫県神戸市の有馬温泉にいた親戚から湯の花を取り寄せて使っていたから(・・・と祖父から聞いた)」とのことでした。いろいろな歴史があるものです。
昭和中期?建築の簡素な外観の銭湯で、正面をフロント方式に改装してあります。正面の窓には「
公衆浴場 有馬湯」と書かれ、側面の窓には「
銭湯浪漫 有馬湯」と書かれた上に
温泉マークがちりばめられています。ボイラー用の低い金属製細円筒型煙突が裏手にあります(高い煙突はありません)。壁というか塀というかをくり抜いたような自転車置き場があります。南国風の大きな庭木が覗いています。新しい透明板の看板もあります。
玄関では小さな松竹アルミ板鍵でアクリル戸の下足ロッカーと松竹M型錠の傘立てが使われています。
自動ドアの奥がフロントとコンパクトな休憩スペースです。
明るい脱衣所は、きれいに磨かれた木床の上(浴室近くは緑の正方形の小タイル敷き)、外側の戸は木製のままで、木調の立派な船底天井になっています。松竹の普通鍵の脱衣ロッカーが使われています。常連用の置き道具棚があります。綿棒は無料サービスです。なぜか雑誌・本・マンガがたくさんあります。浅草の懐かし映画館や木馬館(大衆劇場)の案内、さらには映画「テルマエ・ロマエ」のポスターが貼られています。
広い浴室は湯気抜き部分のないコンクリート製の蒲鉾天井で(壁にやや傷みが目立ちます)、外側は上部・下部ともに真鍮色の大きなアルミサッシになっています。その外には浅い池(金魚はいないようです)に踏み石を配した手入れの行き届いた庭があり(夏に窓を開け放つと素晴らしいでしょう!)、脱衣所脇の木製の縁側(木製のベンチで涼むと気持ちいい!/手前には上部にタンクのある鎖を引っ張る方式のレトロな水洗トイレがあります)から奥の裏方へと行けるようになっています(物置の屋根も唐破風型のよう・・・)。
浴槽はシンプルな通常位置(ただし外側が壁から1m弱離れています)の2槽式です(内側深浴槽&ジェット2基のある外側浅浴槽)。
カランは
赤と
青の温泉マークの押し手で(1つだけ
赤がピンクになっています)、内側7つ(ここだけ固定シャワーあり)、5つ&5つの島が2つ(板状鏡のみでシャワーなし)の配置です(外側は床からすぐにアルミサッシのためありません)。
勿体を付けてやっと書きますが、浴槽背面の「松があり錦鯉が泳ぐ池~登る滝(+魚を咥えたカワセミ)」の三六角タイル絵(鈴榮堂九谷 章仙作)が立派で(非常に状態もいい!)、浴室中隔壁の「樹木そして花々が咲き誇り雉などの鳥や蝶が飛ぶ遠くの山々も見える帆船の浮かぶ湖」の極彩色の三六角タイル絵(銘はありません)がさらに立派です(こちらも状態は最高です!/これだけのものは滅多にありません!)。
そのため逆に、かつてはペンキ絵があったであろう部分が黄緑色のベタになっているのが惜しまれます。
緑のM字椅子とともに、今ではすっかり少なくなってしまった木製の湯桶が使われており、浴室に心地よい音が響き渡ります。
開放感のある落ち着く銭湯です。2つのタイル絵の鑑賞がてら、是非、お越しください。
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